便秘とは

便秘とは

排便が長い時間行われていない、もしくは出にくい状態にあると便秘と診断されます。排便回数が週3回よりも少ない、5日間以上は便が排出されないとあれば、便秘が疑われます。なお毎日排便がみられたとしても、排便時に苦痛を伴っていたり、肛門が切れて出血している場合は同様です。

便秘の原因は大きく2つのタイプに分けられます。ひとつは、何らかの基礎疾患がみられることで起きる器質性便秘です。消化管が潰瘍やがん、外科手術後の癒着等によって、物理的に変化するなどして消化管が狭窄して便が出にくくなるタイプや甲状腺機能低下症、ダウン症候群、脳性麻痺などが挙げられます。
もうひとつのタイプは機能性便秘になります。慢性便秘ではこちらが多くを占めます。

基礎疾患が原因ではなく、排便を我慢するなどの習慣、便が硬すぎて排便が困難といったことで引き起こされるようになります。小児期に便秘を発症しやすい時期や契機として、乳児における母乳から人工乳への移行、あるいは離乳食の開始、幼児におけるトイレットトレーニング、学童における通学の開始や学校での排泄の回避、の3つが知られています。また、慢性機能性便秘症には家族内集積の傾向があることが知られています。

治療について

慢性機能性便秘症の治療は、患児のQOLが損なわれないように便秘でない状態が続くようにすることになります。腸に便が溜まっているのであれば、浣腸や内服薬によって便を体外へと排出させます。腸の中を空にした状態にしたところで、生活習慣の改善をしていきます。具体的には、規則正しい生活(朝食をとりトイレに行く時間を確保できるような生活リズム)、一日三食ともに栄養バランスがとれた食物繊維豊富な食事にしていくことも大切です。また運動をすることは、腸の運動を活発化させるので日常生活に取り入れるようにしてください。また、便意を感じたら排便を我慢せずにトイレに行くようにしてください。
上記の生活習慣の改善だけでは、便秘が解消されないのであれば、薬物療法も併せて行います。浸透圧性下剤(糖類下剤、塩類下剤 等)と刺激性下剤があるのですが、一般的に用いられるのは浸透圧性下剤です。それでも効果が現れないのであれば、刺激性下剤に変更する、もしくは加えるなどしていきます。なお器質性便秘の場合は、原因となる疾患の治療が優先されます。